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TOP > コラム > 「E コマース」の次に来るもの 「VR コマース」はブレークするのか?
2021年5月現在、コロナパンデミックも第4波を迎え一向に終息の気配を見せません。先述のコラム「コロナがもたらす店舗什器事業の未来(店舗とネットの一体化した連携)」中でもお話しした通り、新しい店舗型商業スタイルの仕組みが問われています。リアル店舗では、集客はしたいが感染を拡大させてはならないというジレンマに悩まされながら、新しい時代の店頭のありかたを模索しています。そんな状況下で、自宅に居ながら実際のショッピングをしているような体験ができる「VRコマース」と呼ばれる新たな「Eコマース」の発展型スタイルが注目を集めいています。
「Eコマース」と呼ばれるインターネット上の商業スタイルは多くの人にとって、もはや欠くことのできないライフスタイルとして確立されています。欲しいものが何となくでも決まっていれば、インターネットで検索することで多くの商品を見つけ出すことが可能です。しかし、実際の商品を見たこと、触れたことのない人にとってその商品は手に届くまで想像することしかできないバーチャルな存在であることに変わりはありません。そういう意味では、店頭販売の持つ優位性や魅力はしばらくはまだ廃れることはないでしょう。
しかし、もしインターネット上のショッピングモールが実際の店舗がもつリアルなシミュレーション機能を再現できたとしたらどうでしょう。もちろん実際の店舗に置き換わることは現状ではまだ不可能ですが、近年ではIT機器の発展により実際に来店したような疑似体験をすることが徐々に可能となってきています。その手段のひとつが「VR(バーチャルリアリティー」を活用した商業スタイルのVRコマースです。
従来のオンラインショッピングなどの「Eコマース」では写真や動画で商品に接することがほとんどでした。対して「VRコマース」は、仮想の3D空間上に疑似的にリアル店舗を再現し、その仮想空間上の疑似リアル店舗にあたかも自分が存在するかのような映像体験で商品に接することとなります。この映像体験により、バーチャルだけれどもリアル店舗で商品に接する感覚に近いショッピングが可能となります。
現在、多くの家庭では、昔であれば考えられない大きなサイズのテレビが普及しています。もちろんそれらはインターネットにつながり、地上波テレビ番組だけではなく、様々なコンテンツを楽しむホームエンターテイメントのプラットホームとして機能しています。現実を直視すればもはやテレビのプライオリティーはインターネットといっても過言ではない時代を迎えています。
そこにもし、NetflixやPrime Videoの選択画面と同じように、ショッピングモールの入り口がメニューとして存在したとしたら。さらにそのショッピングモールは実際の店舗をシュミレートしたバーチャルモールで、VRヘッドセットで接続することができたとしたら。それこそが、場所と時間を選ばずに疑似リアル店舗を再現できるノマド型のショッピングスタイルです。リアル店舗での店頭販売に取って代わる新たなショッピングスタイルというよりは、いつでもどこでも疑似的にリアル店舗体験を可能とするショッピングスタイルとなります。お客様にとっては、商品や目的によって自身の自由な選択肢として、リアル店舗とVRコマースでよりフレキシブルでシームレスなお買い物体験が可能となります。
VRコマース自体はまだまだ発展途上の考え方ですし、もちろんそうはいっても実際の商品を手に取る体験はできません。しかし、マルチな商環境の構築とリアル店舗に顧客を誘致するための最強の集客ツールに仕上げることが可能なのかもしれません。
大型テレビやスマホ、VRヘッドセットなど以前と比べるとだいぶ普及が進んでいることもあり、導入自体のハードルはそれほど高くはありません。一番重要なのは運用アイデアです。リアル店舗の営業縮小や外出自粛に伴う来客数、売り上げ減少をインターネット上のバーチャルな店舗にミラーリングして、マルチな販売戦略として立ち上げようとする試みが「VRコマース」です。そういう意味ではリアル店舗とバーチャルモールのシームレスな融合は、リアル店舗の整備や充実度を高めてくれるのかもしれません。
リアル店舗自体は什器を入れ替えるわけでも商品の仕入れを変えるわけでもありませんが、お客様にとってはディスプレイや什器の充実がショッピング体験の満足度につながります。商品をよりわかりやすく美しくバーチャルモール上でアピールするためにリアル店舗の什器をバーチャルでメンテナンスすることも重要な作業になります。ビジターを稼げるショッピングモールが作れれば、リアル店舗の運用や宣伝も安価でマルチに展開が可能なのではないでしょうか。当然コロナが収束した後も、システムは変わらず継続できます。
2021.05.14:K.I
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